或る会長の独断
或る会長
大学というものは、丘の上や山を切り開いた開拓地にあるもので、えてして田舎であるものである。


しかしながらそれは、無数の学生の他、教職員や事務員、食堂で日夜学生達にパーキングエリア級の飯を作り、腹を満たしてくれるおばちゃんなど、大体何千単位の人々がそれぞれの時間を過ごす要塞のようなものだ。

かくして僕の通う大学は、広大な土地をこれでもかと利用し、バカの一つ覚えのようなでかい講堂と貧乏学生の味方である食堂も揃った、過ごしやすいといえばほめ言葉になるが、そうでないと言えばまるで地獄のような移動距離を必要とする大学だ。


高校生の時分このような所が世間に存在するなど、考えもしなかった。
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