或る会長の独断
彼女が幹部だった頃にしてきた事を挙げよう。
さすれば読者諸君も彼女の恐ろしさを知ることとなるだろう。

一つ、部員数10名以下のサークル若しくは部活の廃止
(この事により、哀れ年増女性を考える会とテルミンサークルなどが廃止となり、彼らの貴重な楽しみが失われた。しかしながら、上記のサークル若しくは部活の部員が会長に破廉恥な行為を行ったからだとも言われている)


一つ、喫煙所の増設
(以前の学生会が行った分煙化を喫煙者である会長が、それは見事にぶち壊した結果である)

一つ、学内での不純異性交際の禁止
(文字通り、学内でいってきまちゅうを行うカップルを見た会長がただ不快になったというだけでできた取り決めであり、見つかり次第、学生会執行部の部室に呼び出される)


一つ、学生大会で決議した事は必ず実行する
(学生大会とは、各サークルや部活で集まり、意見交換や学園祭についての取り決めを行う場である。何が恐ろしいかと言うと、必ず実行なのである。
以前、オープンキャンパス時に囲碁サークルにより行われるはずだった「囲碁に親しむ会」がなぜかなくなった際に、囲碁サークル部員全員が二時間正座の刑を受けたという)


一つ、全ての提案の決定権は会長にある
(これが最も恐ろしい取り決めであり、一言でも何か逆らおうものなら会長の絶対的決定権により、学生及びサークル、部活は常に支配されているのである)


その他、学生のしおり合計20ページにわたり綴られている。


このような決まりをいとも簡単に作り上げれるほど、今まで平和ボケしていた我が大学は、独裁者と言わんばかりの彼女により、厳しく取り締まられてしまったのである。
< 3 / 6 >

この作品をシェア

pagetop