「悪」が似合わない君と。



「ちょっと!いつまで笑ってるんですか!リュードーさん!」

トンボがギャーギャー叫び始めた

「いやいやトンボ、お前のせいだよ」


ブック〜と頬を膨らませて俺を見上げるトンボは本当に面白い


「あ、あの、慧さん。そのトンボって誰すか?」


浜田がトンボを指差した


『トンボ』


…なんだ

なんか…浜田なんもしてねぇのに腹が立つ


「……さっきあったんだよ」


トンボが俺から目を離して浜田をまじまじと見つめる

すると浜田が俺とトンボの間に入り込んだ


「おい、トンボ。慧さんとどういう関係かしらねぇが気安く近づくんじゃねぇ」


トンボ

そう浜田が口にするとなんか…


しかも…今お前なんつった?

近づくなとか言ってなかった?


余計なことすんなよ


「あとそのブス面で慧さんに話しかけんな」


ブスづら?


まあ確かにあのでかいダサいトンボメガネかけてるコイツはお世辞にも可愛いとは言えねぇ

けどメガネとったらこいつ妖精だぞ?


ってかこれでトンボが怯えたりしたらどうするんだよ


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