「悪」が似合わない君と。


降りてくる拳を止める

後ろではトンボが小さくなってた



…強いかっこいいと言えど、俺とは違う女子

一回りも小さいその体で、俺らに立ち向かえる勇気…

単純に羨ましいな、なんて考えながら…



俺を見て浜田とトンボが息を飲む

「女に手なんか出したら汚ねぇだろ。俺の顔に泥を塗るつもりか?」


浜田はめっそうもないというように手と首を横に振る


「い、いえ!そんなつもりじゃ!」

「言い訳は聞かねぇ。浜田、お前のそのキレっぽい性格なんとかしろ、めんどい」

「す、すみません!」

「今のは単なる八つ当たりだろ、図星つかれて暴力に走るとか、ガキすぎ。あと、」



そういや俺が浜田にムカついてた理由


いや、なんでこんなことに腹を立てたのかいまいちわからないけど…



「こいつの事、トンボって言っていいのは俺だけだ」



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