「悪」が似合わない君と。
「おいトンボ聞いてんのか」
え、あ、何?
「あの先生男なのかって聞いてんだよ」
は?
何そのどうでもいいこと
真面目な顔でそんな質問をされたので思わず吹き出してしまった
確かに女っぽいとこはあるし、声も高めだけど
「男の先生だけど?笑笑」
「何笑ってんだよ」
「いや、別に?笑笑」
私が笑ってるのにつられたのだろうか
いつのまにかリュードーさんも声を抑えて笑ってた
いつも以上にしんとした教室の中だ
私達の笑い声はきっと先生まで聞こえてる
その日は静かな教室に私達の声だけが響いていた。