「悪」が似合わない君と。




その瞬間パッと顔を上げたトンボと目があった


あ、やべ


見てたのバレたかも…


すぐに目をそらす






…なんだこの沈黙



今まではなんともなかったのに…



え、めっちゃ…変な気分



心臓がドッコドコ言ってやがる



今度はちゃんと警戒しながらトンボを見た



今お前と並んで歩いてる俺は…



普通の男子高校生かな





『悪魔』だとか

いろんな奴が付いてくる『彗さん』



じゃなくて





ただの思春期男子高校生…






不思議だよ




お前といると…おれは『龍堂彗』じゃなくて


『リュードーケー』になれるんだなぁ






ハハ…



何言ってんだ俺…




こんな喧嘩に追われてる俺が



普通の生活なんて…な






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