「悪」が似合わない君と。
「ハナ…あなたがモデルを始めたのはご両親が亡くなって家計を支えるためよね
でもあなたは今、女子高校生。普通だったら友達と遊んだり恋愛をしたらする年頃
私はあなたのような優秀な子のマネージャーをして舞い上がってた。
あなたにとって大切なことを無視して仕事に没頭させていた…
女の子がこんな怪我をしているのに、真っ先に仕事の心配をさせるなんて…
本当にごめんなさい」
「神崎さん…」
「ねぇハナ。この機会にって言ったらアレだけど少しモデルを休んでもいいんじゃない?もちろんやめろとは言ってないわ
でも、あなたは最近無理しすぎよ。今しかできないことをやってもいいんじゃない?」
今しかできないこと
友達と遊んだり寄り道したり…か、彼氏作ったりするの…
憧れてないって言ったら嘘になる
でもモデルの仕事だって…
「私…確かにモデルの仕を事やってて辛いとか辞めたいって思ったこともあります。
でもこの仕事ができて本当によかったって思ってます。
この仕事のおかげでお兄ちゃんと2人で生きて来れた。それに神崎さんにも出会えた。
今しかできないことももちろんやりたいけど、このモデルの活動だって今しかできないかもしれない
だから…
この傷が治るまではお休みをいただきます。でも治ったらバンバン働きます!
私好きなんです!神崎さんのことも、モデルをやることも、街中で私の話をしている子とすれ違うことも!」
「ハナ…」
神崎さんは少し涙ぐんでいた