「悪」が似合わない君と。


「篠瀬さん!!」

「武内くん!」

「ヤバかったよ!ほんとにかっこよかった!」

「ありがとう」


武内くんの後ろで美優さんが呆然と立っていた

私と目が合うとハッと我に帰ったように振り返っていなくなってしまった


はあ…リュードーさん…見てくれたかな


全てのクラスのウォーキングが終わり、ミスコンは幕を閉じだ


私がクラスに戻ると大歓声だった


「篠瀬さん!!!ほんとにかっこよかった!」

「めっちゃうまいね歩くの!」

「ちょー素敵すぎて惚れた!」

「武内くんもかっこよかったよーー!」

「ありがとう!」


「ほら!篠瀬!今の人気の状態で最後の客呼び頼んだぞ!ミスコンでもクラス出し物でも一位取ろうぜ!」


林くんに促される

ミスコンとクラス出し物の順位が発表されるのは閉会式だ

よしそれまでがんばろう

看板を持って教室を出る


「トンボ」


ふと肩をたたかれた


リュードーさん!


執事服のままの姿で少し髪が乱れている


「俺も行く」


え!ええ!

一緒に教室を出てきてしまった


「あ、よかったんですか?今休憩ですよね」


「別に行きたいとこないし、いい」


そっか…


やった!

思いもよらず二人になれた!


2人で廊下を並んで歩く


「トンボ…」



「はい?」

「ミスコン…すごいよかった」


ええ!

や、やった!リュードーさんが褒めてくれた!


「あ、ありがとうございます」

「やっぱさすがだな」


へ?

流石って?


「現役モデルなだけあるなって」


あーハナのことか……

……

「は!?!?」


「なんだよ」

「え、ちょ、え!?」

「どうした?」

「現役モデルって…」

「え、そうだろ?この前たまたま見かけた雑誌の表紙にお前いたけど」


はああああああ!?!?


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