「悪」が似合わない君と。



あ、えっと、どうするべきだ


視線がヤバイ


あ、ヤバイってよく使うけどね

調べるとヤバイって危ないって意味なのよ


そう、皆様の視線がすごくヤバイですね


「トンボ?」


と、トンボ?


「なんだよトンボ、ストーカー?」


ニヤリと笑って私に近づいてくる


「ち、違います!偶然です!ぐ・う・ぜ・ん」


「てか、本当にトンボになってるね」


はあ!?どういう意味よ!


あ、そっかさっきはメガネかけてなかったんだ

って!そんなことはどうでもよくて!


「っていうか!人のこと言えませんよね!アンタだってその服ダサい!
なんでせっかくの制服というブランドをそんな着方しちゃうんですか!」


私の言葉に後ろの男集団が息を飲むのが聞こえた


「うーん、楽だからかな?喧嘩とかするのに」


け、けんかぁ?


喧嘩なんかするのかぁ…って


あ、そういえば

…この中にあのリュードーケーさんがいるんだよね


私は目の前に立っている、私をトンボ呼ばわりする失礼な男の子を見た


『チョーイケメンなんでしょ?』
ある子がそう言っていたのを思い出す


整った顔つき…

ま、まさかね


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