「悪」が似合わない君と。


その瞬間、ぐらりと傾いたそいつ


思わず体が動く



ガシ!

落ちてきた女を抱え込む



…って、女ってこんなに軽いの?

細くて柔らかくて、なんだか甘い香りがする


ぎゅっと目を瞑っているそいつ

でかい眼鏡がずれて顔にかかっている


それにしても眼鏡デカくね?


今時これは結構ダセェ

なんかトンボみたい


そんなことを考えながらそいつの顔を見ているとうっすらと目が開く



…俺の顔を見たらこのトンボ眼鏡もオロオロして謝るんだろうか


怖がって、恐れて、俺のことを避けるんだろうか?



まあ…どうでもいいけど



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