庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす


「な、なに?」

 上ずる声を堪えながら聞き返す。

「今夜外で食事しないか? 大事な話があるんだ」

 それを聞いて、息が止まりそうになった。大事な話……。それは良い話? それともやっぱり悪い話だろうか。

「うん……いいよ」
「じゃあ場所と時間はまた連絡するよ」

 そう言うと千晃くんは足早に家を出て行った。
 
 きっと昨日の会食でなにか進展があったんだ。もしかすると結婚はなかったことにしようって言われるのかもしれない。
 
 心の準備しなきゃ。泣かないようにしなきゃ。だって千晃くんが困る顔を見たくないから。
 
 
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