庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす


「それに気に食わないことがあれば排除するっていうのは、その場にいた仲間の中でも有名でした。実際その時お世話になっていた雑誌の編集長を、他の部署に飛ばしちゃいましたしね」
「えぇ? それ本当なの?」

 彩子が目を丸くしながら景山くんを前のめりに見る。

「女の子三人で撮影したシーンがあったんですけれど、自分がセンターじゃなかったことが気に食わなかったらしいです」

 だからってなんて自分勝手なんだろう。それにそれはもしかして叔父さんの力? そんなことが簡単にできてしまうなんて、いったい森永社長はどれだけの権力者なのだろう。

 そう思うと、千晃くんのことが途端に心配になる。

「悪いことは言いません。あまりあの二人には関わらにほうが良いです」

 景山くんがご飯を口に運びながら落ち着いた口調で言う。

「それはつまり、椎花に大人しく身を引けってこと?」
「まぁそういうことになりますね。引き下がらなかったら、後で何をされるかわかりませんよ」

 彩子と影山くんが話している様子が、モノクロのようだった。心は空っぽで、何も考えられなかった。



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