庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす
「ねぇ、千晃くん。もう……」
目の前にある引き締まった体に手を伸ばし、抱きしめてとねだる。千晃くんは私を甘い表情で見つめると、頭を抱え込むように抱きしめた。
一つになりたい。彼を世界で一番近くに感じたい。
彼の首に手を回したその刹那、千晃くんが私の中に一気に入ってきた。
その瞬間、思い切り声が上がる。
「あっ……んんっ」
「椎花」
愛しそうに名前を呼びながら私の汗ばむ額を優しく撫でる。そして何度もキスをくれる。
抱き合うことがこんなにも愛しい行為だなんて知らなかった。幸せすぎて泣きそうになるなんて、思いもしなかった。
「椎花、愛してる」
「私も……愛してる」
生まれて始めて口にする言葉を自分の耳で聞いて感極まった。
また泣いている私を千晃くんはおかいいそうに見つめていたけれど、きっと“愛している”という言葉は、相手の全てを受け入れるということなのだろうとこの時思った。
だからもっともっと千晃くんの色んな顔を見せて。男っぽい顔も、笑った顔も、時には困った顔も。
千晃くんの過去も未来もすべて愛しているから。