庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす


「椎花が椎花じゃなかったら、もしかしたら俺たち、こじれてうまくいかなくなっていたかもしれない。三条さんの言葉を信じていたらと思うと、怖いよ」

 千晃くんの言葉に、黙って頷く。あの時は必死だったけれど、もし彼女の話を鵜呑みにしてたら、こうして一緒にいなかったかもしれない。

「俺はそういう椎花の芯が強いところ、好きだな。もちろん、涙もろくて甘えん坊な椎花も好きだけど」

 真剣に言う千晃くんがおかしくて、胸元に顔を寄せたままクスクスと笑う。


「ガキの時は椎花に意地悪言ったり、意地はってたけど、本当はずっと好きだって言いたかった」
「じゃあ今からいっぱい聞かせて」

 そう言うと千晃くんは触れるだけのキスをした。

「俺、全然足りないんだけど」
「え? なにが?」
「椎花が」
 
 そう言うとくるりと視界が反転し、気がついた時には千晃くんから見下ろされていた。

 引き締まった上半身が目の前にあって、再びかぁっと熱が上がる。

「もっと愛してもいい?」
「も、もちろん」

 まだまだ慣れない私を見て千晃くんは幸せそうに笑うと、手を絡め甘いキスを落とした。



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