庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす



「んんっ、だめだって」
「煽った責任とって」
「桃がいるからダメ!」
 
 そう言う間にも、息が上がってしまっている。千晃くんの指が、器用に身体を這う。

 いつもクタクタになるまで抱かれてしまうから、絶対にここじゃダメ。 

「椎花があんまり可愛いこと言うから、我慢できなくなった」
「んー、やっ」

 千晃くんの胸を押し、引きはがそうとしたところで桃が泣き出した。

「桃!」

 私は乱れたパジャマを戻しながら慌てて桃を抱きあげる。

「どうしたの。場所が変わったから眠れないのかな」

 よしよしと桃の背中を撫でる。我ながら切り替えのよさがすごいと思う。

 千晃くんはそんな私の背後でぶすっとしていた。それがおかしくて、思わずふふっと笑ってしまう。

 大人かと思えばちょっと子供っぽくて、だけどいざというとき頼れる人。

 仕事に育児、それに私のことを一番に考えてくれる千晃くんは、私にはもったいないくらいの極上旦那様。


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