庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす

「今日偶然雑誌で千晃くん見つけて。それでどうしても千晃くんに会ってみたいって」
「困ったな」
 
 キッチンでレモンや彩のいい野菜をブレンダーにかけながら千晃くんが小さく愚痴る声が聞こえた。

 そりゃそうだよね。いくら部屋は片付いているとはいえ、面識のない人をいきなり連れてくるのはなしだよね。居候させてもらっているんだから、ルールはちゃんと守らないと。

 彩子に断りに行こう。そう思っていると、千晃くんが振り返り、首を傾げ言った。

「何してんの? 早く入ってもらえば。寒いし」
「え? いいの?」
「いいよ。俺も挨拶したいし」
「でも、さっき困ったなって」
「あー、食材が足りるかなってこと。そんなこといいから早く呼んでおいで」
「うん! ありがとう」

 声を張り上げ、私は急いで玄関に向かった。

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