庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす

「わぁ、素敵なお部屋ですね!」
 
 彩子の反応に、昨日の自分を思い出す。私も全く同じリアクションをしたから。

 2LDKのまだ真新しいマンション。駅も近いし、なにせ見晴らしが良い。こんな一等地に住めるなんてさすがだと、千晃くんを前に散々騒いだのはつい昨日だ。

「これよかったら召し上がってください」

 いつの間にそんなものを用意したのか、彩子がワインを千晃くんに差し出す。

「ありがとう。なんのお構いもできませんけど、ゆっくりしていってください」
「ありがとうございます。突然押しかけてすみません」
「ううん、全然。椎花がいつもお世話になっているみたいだし。たいしたものはないけど、夕食も食べていって」

 千晃くんの誘いに、彩子ははぁ~いなんて、会社では聞いたこともないような甘え声を出す。もう既に千晃くんの虜になったようだ。

 しかもソファにバッグを置くと、料理を再開した千晃くんに手伝しますと言って、傍に駆け寄っていた。さすが肉食系女子だと、改めて思った。

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