庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす
「でもフリーターの人と結婚して大丈夫なんです?」
「フリーター? 違うよ、会社経営してる人だよ」
「会社経営?」
自分のデスクに着きドカッと椅子に座ると、頬杖をついたままじっと私を見据える景山くん。その目はどこか探っているようで、あれ? 私なんか変なこと言ったかなと、不思議になった。
「ちなみにどこが好きで、いつから付き合ってるんですか?」
質問攻めにされ、えっと、と押し黙る。いつからって言われても実際交際0日。こんなこと正直に話したらきっとドン引きされちゃうと思い、咄嗟に嘘をついた。
「一年くらい」
「一年?」
「うん、去年の今頃から付き合い始めたの」
そこまで言うと、景山くんは首を傾げていた。
「あれ? 俺勘違いしてたかな」
「勘違い?」
「少し前小原さん、付き合って半年の彼氏がいるって言ってましたよね。しかもフリーターだって。俺てっきりその人と結婚するんだとばかり思ってた。もしかして二股してたんですか?」
顔を僅かに引きつらせる景山くんを前に「あぁー!」と、大声が上がった。
そうだった! 遥斗の存在をすっかり忘れていた。しかも景山くんにそんなことまで話していたことも!