庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす

「なんか胡散臭いくらい男前でしたね」

 とぼとぼと歩いていると、隣で景山君がぽつりと呟いた。

「腹の中、真っ黒そうだな、あの社長」

 それって、もしかして千晃くんのこといってる?

「そ、そんなことないから!」
「どうして小原さんがそんなにむきになって反論するんです?」
「いや、あの、なんとなく……」
「どうせ女の人を泣かせまくってるんだろうなぁ」

 顎に手をあて、名探偵にでもなったかのように推測で物を言う景山くん。まさかその彼が私の婚約者だなんて思いもしないんだろうな。この言われようだし、今更言うに言えないけど。

「あ、言っておきますけどひがみじゃありませんよ?」
「わかってる。妬みでしょ?」
「違いますって!」

 必死に反論してくる景山くんがおかしくて、思わずクスクスと笑ってしまった。


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