庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす
「結婚式には会社の人たちも呼ぶんだよね?」
「あぁ、そのつもり」
「今日千晃くんの隣にいた男の人は、空港で私を待っててくれた人だよね?」
「そうそう。桜庭っていって、俺の秘書みたいなもん。地元から引っ張ってきたんだ」
「そうなんだ。じゃああの女性は? あの人も地元の人? なぜか私のことすっごく見てて、もしかしてどこかで会ったりしたことあるのかなって思って」
もしそうなら今度会ったとききちんと挨拶しなくてはと思っていると、なぜか千晃くんの動きが一瞬止まった。
私、なにかまずいこと言った?
「千晃くん?」
「え? あぁ、そうなんだ。どうしてだろうね」
なんだかぎこちなく感じるのは気のせい? 千晃くん、なにか隠してる? 一気に不安になる。
「彼女になにか言われたりしなかった?」
そんな私に千晃くんが探るように聞いてくる。私が「それはないよ」と答えると、千晃くんはちょっとホッとしたような顔をした。
どうしたんだろう。あまり動揺したりする人じゃないからすごく気になる。
あの女性と仕事以上の関係があるの? そう素直に聞けばいいのだろうけれど知るのが怖い。
だけど例え知ったところで私たちはもうすぐ結婚するんだ。だから例え彼女が元カノだろうが、なんだろうが関係ない。
そう無理やり納得して、言いかけた言葉をお水といっしょに流し込んだ。