庇護欲を煽られた社長は、ウブな幼馴染を甘く攻め堕とす

 だけどここははっきりさせないと。

「私、遥斗とはやり直せない」
「は? どういうこと?」
「遥斗とはもう終わってると思ってる」
「意味わかんねーよ。俺らいつ別れたわけ? なに勝手に終わらせてんだよ! 新しい男でもできたのか?」

 公の場所だというのに感情をむき出しにして怒鳴る遥斗。体がビクッと竦む。怖い。だけど私が撒いた種。きちんと終わらせなかった私が悪い。

「ごめん、遥斗」
「ごめんてなんだよ。わかるように説明しろよ!」

 遥斗の右手はわなわなと震えていて、殴られるんじゃないかと思うと、怖くて足が震える。だけど私は意を決して口を開いた。

「……私、結婚するの」

 今の彼ならきっと逆上するとわかっていたけど素直に答えた。彼に何も言わず、私は楽な方に逃げた。素直に答えるのが誠意だと思ったから。

「は? 結婚? お前二股かけてたのか」
「ちが、そうじゃない」
「じゃあなんだよ。こんな短期間で結婚相手ができるなんて、二股してたとしか思えないだろう。だから俺の前からいなくなったんだろ? 最低な女だな」

 言いたい放題言われて、喉の奥から熱いものが込み上げてくる。でもそう思われても仕方ない。

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