今も、強がりな君が大好きです
何も知らない人が聞けば、最低だと思うだろう。しかし、奏は優しく微笑む。オリバーのことをきちんと知っているからだ。

本当は、オリバーは彼女のことが大好きだったのだ。ただ強がって、素直になれないだけで本当はちっとも大丈夫ではない。

「オリバー、Free time on Sunday?(日曜日、暇?)」

自然と奏は言っていた。

「Would you like to go out with me?(どこかへ出かけない?)」

デートのお誘いにオリバーは、「ま、まあ行ってやるよ……。たまたまだからな!たまたま暇だったからな!」とツンツンしながらも「行く」と言ってくれる。

奏は嬉しくて、日曜日が待ち遠しく思う。教室に、ギターの音とツンツンした声が響いた。



日曜日。奏とオリバーは、カランビン ワイルドライフ サンクチュアリーという動物園に行くことになった。オーストラリアに生息する動物が多数自然に近い形で飼育されている。
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