今も、強がりな君が大好きです
この日のデートのために、奏はクレアにアドバイスをしてもらいながら服を選んだ。

黒のレース素材のトップスに、レモンイエローのフレアスカートというフェミニンなコーデだ。月をモチーフにしたシンプルなネックレスもつけている。

「露出が多い服よりも、レース素材の方が男子好みの色気を演出できるよ!露出が多いと目のやり場に困ってしまうから」

クレアが言ってくれたことを思い出し、鏡で自分の姿が変ではないか奏は何度も確認する。

他にもデートでNGな服はある。おしゃれ感がゼロのスポーティ・カジュアルすぎる服や、個性的すぎる服、そして清潔感のない服だ。奏は細かくチェックし、大丈夫そうだと息を吐く。

「おい!もう来てたのかよ」

声をかけられ、奏は振り向く。白いVネックのシャツにジーンズを履いたオリバーが呆れていた。

「まだ集合時間の十分前だぞ」

「日本には、十分前行動っていうのがあるの」

「ふ、ふ〜ん……」

そう言いながら、チラチラとオリバーは奏を見つめる。
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