今も、強がりな君が大好きです

テストはどんどん進み、色々な歌が音楽室に響く。明るい歌もあれば、暗い歌もある。そしてついに、奏たちの番がやってきた。

「私たちが歌うのは、日本の曲です。日本語で歌います！」

クレアがそう言うと、音楽室は「おお〜！！」と盛り上がる。奏はスマホから音楽を流し、歌が始まった。

「それなのに頰を濡らしてしまうの」

クレアが日本語で歌い始めると、また歓声が上がる。オリバーも驚きの目を向けていた。

「笑って」

二人でハモり、イントロが流れていく。クラスメートたちは手拍子をしてくれていた。

「 否否 笑い合ってさよなら」

奏とクレアの歌ったシャルルは、先生にも褒められるほどうまく歌えた。クラスメートも「Awesome！（すげ〜！）」と口々に言う。

「I think it's beautiful（きれいだと思う）……ってほんのちょっとだからな！」

奏がオリバーに歌の感想を訊ねるとこう返ってきた。それでも、オリバーに褒めてもらえることは嬉しい。