今も、強がりな君が大好きです
それから数日後、奏はクレアと音楽室で大好きなボカロを聴いていた。

「やっぱり私の中で一番好きなのは、おじゃま虫かな〜」

クレアがそう言い、奏も「あの曲、すごく可愛いよね!」と笑う。

音楽は、奏の心を癒してくれる。オリバーがたまに聴かせてくれるギターの音色さえも、奏を守ってくれるのだ。

「そういえば、奏は聞いた?」

クレアは声を潜め、奏にささやく。

「オリバー、彼女と別れたんだって。彼女の方から別れを告げられたらしいよ」

「えっ!?」

奏はすぐに音楽室を飛び出し、オリバーを探した。



オリバーはすぐに見つかった。教室でギターの練習をしていたから。

「オリバー……」

奏が声をかけると、オリバーはゆっくりと顔を上げる。その目は赤く腫れている。泣いていたようだ。

「Are you ok?(大丈夫?)」

奏がそう言うと、オリバーはふて腐れたようにそっぽを向く。

「別に慰めなんていらねぇよ!ど、どうせアイツのことなんて対して想ってなかったし、俺からフってやるつもりだったから」
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