Blue[短編]
「何でよりによって裕子なんだよ…」
風が冷たい。
季節は冬。
私は仲良い友達の悟と2人で下校していた。
「よりによってって…まぁ、残念ね…瑠美は悟のこと――…」
「言うな!」
私が言いかけたところで、悟は話を遮った。
「別に分かってたし…いーんだよ、別に」
「そう」
悟は瑠美が好き。
瑠美は悟を好きじゃない。
私は悟が好き。
そんな関係を続けていた。
「瑠美ちゃんさ、多分吉沢先生が好きだと思うんだ」
「え?私聞いてないよ?」
「相手は教師だぜ?いくら裕子でも言いづらいだろ」
悟は苦笑して私を見た。
そんなもんなのかな?
私は、よく分からない。
「悟は、本当に良いの?」