Blue[短編]
ピンポーン…
インターフォン?
これは…
夢?
否、夢じゃない。
「うわ…帰ってきてから爆睡してた…」
しかも制服のまんま。
ピンポーン
「あー、はいはーい」
鳴り止まないインターフォンに若干イラついて、しかたなく玄関のドアを開けた。
「どちらさま…」
「俺」
「悟?!なんで…」
「なんでって…カバンとブレザー!重かったんだからな」
「あ、ありがと…」
私は悟を盗み見する。
悟は何時もと変わらない様子だ。
でもやっぱり…
「悟は何時も悲しそう」
「え?」
「何時も何か抱え込んでるような顔してるよ、あんたは」
「………やっぱ、裕子にはバレちゃうか…」
悟は小さく笑って、真っすぐ私を見た。
「フられた」
「……え?」
「やっぱ、ダメだと思ったから…言ったんだ」
「うん…」
「分かってたんだ、瑠美ちゃんが俺のこと何とも思って無いって。でも…それでも良いって、言い聞かせて…裕子に言われなかったら俺…」
悟は手を伸ばして、私の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「ありがとな、裕子」