Blue[短編]
「……うんっ」
「何で裕子が泣くの?」
「頑張ったねっ…悟…」
私は涙が止まらなくて、でも悟は私の頭をぽんぽんと叩いて笑っていた。
「裕子」
「うん?」
「お前のこと好きだよ」
「…私も好きだよ」
悟が言ってる好きと、私が言ってる好きは違うのに。
でも、まだ言わない。
悟がちゃんと私を見てくれるまで。
「寒いだろ、マフラー貸してやる」
君に伝えたい、この気持ち。
“君のマフラーの色はブルーでした”