キミとの恋は永遠に輝く


……でも、やっぱり引っかかる。




1つは小さくなったみたいだけど、新しくできた腫瘍。


脳幹にできてたのに、退院なんかしていいの?



「美央、今オレの心配してるだろ?
新しくできた腫瘍のこと」


「……!」



私は声に出してないのに、聖くんにはわかってしまった。


「やっぱりな。
美央は、思ってることはすぐ顔に出るからわかりやすいんだよ。
うん。そのことも話さなきゃいけないな。
美央、今からオレが言うこと、よく聞いてくれる?」



聖くんが優しい口調で言った。



「うん」

少し緊張しながら、聖くんの話す声に耳を傾けた。


「わかってると思うけど、腫瘍はオレの頭に2つある。
1つはもう小さくなって、手術で取り除くことができるんだ。
だから退院する前に、オレは手術を受けようと思ってる」



「えっ!」


思わず声が出ちゃった。


聖くんは微笑んで、再び話を進めた。


「でも問題は、新しくできた腫瘍。
あれは、脳幹の中にできているから手術をするのは難しい。
でも、そのままにしておいてもいずれ、オレはいなくならなきゃいけないんだ。

美央のそばからも、この世からも……」



頭の奥に鋭い衝撃がはしった。



「そんなこと……!……っ」


そんなこと言わないで!
そう、言いたかった。



でも言えなかった。


また、悲しそうに笑うんだもん。



その笑顔は、すごく透き通っていて……


今にも、消えてしまいそうで。


言葉が出てこなかった。



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