キミとの恋は永遠に輝く
「なぁ美央。こっち来てみ?」
ラッコを見て癒されていたら、聖くんに呼ばれた。
「ん?なになに?」
聖くんが見ていたのは、池みたいなところ。
そこにある岩はいくつか持ち上げることができて、その中に1種類ずつ生き物が入っている。
「ほら、美央がいた」
「どれ?……えっ!?ちょっと、聖くん!」
覗いた先にはハリセンボンがいた。
しかも針を立たせて。
「どうして私がハリセンボンなのよ!」
「あはは!
ほら、そうやって怒ってるところ。
針が立ってるぞ~うわぁ刺される~」
「もっ!聖くんのバカ!もう知らない!」
頭に血がのぼって、余計にムカついた私は、聖くんを置いて先に進んだ。
そのとき……
「あっ……!」
後ろで妙な音がした。
「聖くん!?」
振り返ると、聖くんが頭を抱えてうずくまっている。
運の悪いことに、周りには誰1人いなかった。
「聖くん!」
「……っ」
「どうしよう……待ってね、救急車を…」
慌ててカバンの中から携帯を取り出して、119とボタンを押した。
発信をしようとした、そのとき……
「っははは!」
聖くんがいきなり笑い出した。
「聖くん?」
「マジ、オレの演技力って神だわ。
なぁ、美央?」
演……技……
「え、聖くん具合は……?」
「ん?元気元気!」
ケロッとした表情の聖くんを見て、急に体の力が抜け、その場にペタンと座り込んだ。
そして、目頭も熱くなってきた。
「いやマジ凄いなオレ!
どうだ美央。オレの演……」
「バカっ!」
いきなり怒鳴った私を見て、聖くんの目が思いっきり見開かれた。
「え、美央?」
「どれだけ心配したと思ってんの?
聖くんがいきなり倒れて、すごく怖かったんだから!」
あのとき一瞬頭をよぎった言葉……死。
私、聖くんを失ったら一生立ち直れない。
バカ!って……
もう知らない!って……
怒ったまま別れてしまっていたら、すっごく後悔が残る。
あの屈託のない笑顔で、ただ私をからかっていただけなのに……って。
後悔してもしきれなかったよ。
無事でよかった……
「もう、あんな真似、冗談でもしないで」
「ごめん……」