キミとの恋は永遠に輝く


「よぉ」

病室のドアを開けると、聖くんが手を挙げた。


「よぉじゃないよ聖くん」


笑う気力もなく、苦笑いになる。


「ごめんな、心配かけて」


「本当だよ全く」


「ごめん」


「でも、何もなくてよかった。
点滴終わったら、帰っていいって」


「そっか、よかった」


久しぶりの病院の匂いは、なんだか懐かしく思えた。


聖くんが退院して、まだ1ヶ月しか経ってないのに。


でも、戻って来てはいけない場所なんだって周りを見て思う。


忙しく駆け回るお医者さんと看護師さん。


リハビリのために少しずつ歩く患者さん。


薬の副作用に苦しむ患者さん。


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