キミとの恋は永遠に輝く



あれから、どうやってこっち(福岡)に来たのかわからない。



気がつけば、目の前には叶ちゃんがいて、隣を見ると、眠っている聖くんがいた。


ううん、眠ってるなんてそんな軽くで済まされない。


だけど、受け入れることができなくて…



「聖くん、せっかく私が来たのになんで寝てるのよ。
まぁ聖くんらしいけどさ」

「美央ちゃん……」

「聖くん、今日はあなたの誕生日だよ?
ほら、一緒にお祝いしようって言ったじゃん。
ちゃんと、プレゼントも買ったよ?
聖くんが欲しいもの言ってくれないから、勝手に買っちゃった」



持ってきた袋から、2つのプレゼントを取り出した。



「ほら、見て?
聖くんが治療を頑張れるように、帽子。
あと……お揃いでネックレス!

十字架ってね、“死に対する勝利の印” って意味があるんだって。

これからも2人で治療を頑張っ…」



冷たい。


聖くんの手に触れると、もう冷たくて

もう、ここにはいないって思い知らされた。



それでも、やっぱり信じられなかった。




「ねぇ聖くん起きて!
なんで目を開けてくれないの?
聖くんってば!!」

「美央ちゃん!」

「み、美央!」


騒ぎ声を聞いて何事かと思ったのか、慌てて来た母とおばさんに羽交い締めにされた。


「やだ…嘘でしょ?ねぇ母、おばさん?
嘘って言ってよ!」



「美央ちゃん…ごめんね。
今まで、本当にありがとう」




何でそんなことを今……



「嘘だ…聖くんがいないなんて、そんな…」



「あっ、美央!」


私は掴まれてる手を振り払って、部屋に入った。



聖くん……聖くん、聖くん……



もう会えないの?


聖くんの笑顔に。



もう聞けないの?


聖くんの声を。



もう、抱きしめてもらえないの?



もう、聖くんの温かさを感じることはできないの?



「嫌だよ、聖くん……」


私の涙を止めるのは、聖くんしかいないんだよ。



嘘って言ってよ……



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