優等生の恋愛事情
僕と四条はクラスが同じ。
ロクちゃんは違うけど僕とは幼馴染だ。
そんなこんなで、ロクちゃんが休み時間に遊びに来たりするうちに、いつの間にかおバカな3人組ができていた。
「ところでさ、おまえ知ってる?」
焼きそばパンをたいらげたロクちゃんが、きなこ揚げパンの袋を開けながら僕にたずねる。
「知ってるって?」
「溝口さん、クラス会来るってよ」
「…………ええっ!」
一瞬、頭がポカンとなった。
驚きすぎて、衝撃的すぎて。
「ねえねえ、ロクちゃんもミタニンも何の話してるのさ~。オレにも教えてよ~」
四条が甘えた声でじゃれついてきたけど断固拒否だ。こいつに言ったら、勝手におもしろがってまたふざけるから。
「嫌だ。教えない。もう、暑いんだからくっつくなよ」
「あーん。ロクちゃーん、ミタニンが意地悪する~。オレも話に混ざりたぁ~いよん」
「ロクちゃん、四条に余計なことは――」
「夏休みに中学んときのクラス会があんだけど、諒の好きな人も来るみたいでよかったね!という話だ」
「んま!ミタニンたら!」
「ロクちゃんっっ」
(もう、何でつるっと言っちゃうかなぁ)
「そのナントカさんて人がミタニンの好きな人なの?」
「ナントカさんじゃなくて溝口さん」
僕は半分開き直って、ぶっきらぼうに答えた。
「あー、はいはい。溝口さんね。それで、ミタニンはクラス会で告ろうと思っているわけだ」
「おまえには関係ないだろ」
「きぃーっ!ロクちゃーん、ミタニンが可愛くなーい」
(ああもう、僕をそっとしておいてくれ……)
会いたくて、ただ会えるのが嬉しくて。
話したくて、また話せると思うだけで幸せで。
でも、やっぱり――それだけじゃ嫌なんだ。
久しぶりに会って「懐かしいね」と笑い合って、そうしてまた僕は何もなかったように、僕だけの毎日へ戻るのか? そんなのが望みじゃない。
(けど、告白するってどうすれば……)
「溝口さんて、諒のこと好きだと思うぜ? てか、絶対好きだろ?」
「はあ!? ロク、ちゃん何、言って……っ」
ロクちゃんの想定外の発言に、フルーツオレが気管に入ってゲホゲホむせた。
(そりゃあ僕だって、彼女が僕を好きでいてくれたら嬉しい。嬉しいに決まってる。けど……)
ロクちゃんは違うけど僕とは幼馴染だ。
そんなこんなで、ロクちゃんが休み時間に遊びに来たりするうちに、いつの間にかおバカな3人組ができていた。
「ところでさ、おまえ知ってる?」
焼きそばパンをたいらげたロクちゃんが、きなこ揚げパンの袋を開けながら僕にたずねる。
「知ってるって?」
「溝口さん、クラス会来るってよ」
「…………ええっ!」
一瞬、頭がポカンとなった。
驚きすぎて、衝撃的すぎて。
「ねえねえ、ロクちゃんもミタニンも何の話してるのさ~。オレにも教えてよ~」
四条が甘えた声でじゃれついてきたけど断固拒否だ。こいつに言ったら、勝手におもしろがってまたふざけるから。
「嫌だ。教えない。もう、暑いんだからくっつくなよ」
「あーん。ロクちゃーん、ミタニンが意地悪する~。オレも話に混ざりたぁ~いよん」
「ロクちゃん、四条に余計なことは――」
「夏休みに中学んときのクラス会があんだけど、諒の好きな人も来るみたいでよかったね!という話だ」
「んま!ミタニンたら!」
「ロクちゃんっっ」
(もう、何でつるっと言っちゃうかなぁ)
「そのナントカさんて人がミタニンの好きな人なの?」
「ナントカさんじゃなくて溝口さん」
僕は半分開き直って、ぶっきらぼうに答えた。
「あー、はいはい。溝口さんね。それで、ミタニンはクラス会で告ろうと思っているわけだ」
「おまえには関係ないだろ」
「きぃーっ!ロクちゃーん、ミタニンが可愛くなーい」
(ああもう、僕をそっとしておいてくれ……)
会いたくて、ただ会えるのが嬉しくて。
話したくて、また話せると思うだけで幸せで。
でも、やっぱり――それだけじゃ嫌なんだ。
久しぶりに会って「懐かしいね」と笑い合って、そうしてまた僕は何もなかったように、僕だけの毎日へ戻るのか? そんなのが望みじゃない。
(けど、告白するってどうすれば……)
「溝口さんて、諒のこと好きだと思うぜ? てか、絶対好きだろ?」
「はあ!? ロク、ちゃん何、言って……っ」
ロクちゃんの想定外の発言に、フルーツオレが気管に入ってゲホゲホむせた。
(そりゃあ僕だって、彼女が僕を好きでいてくれたら嬉しい。嬉しいに決まってる。けど……)