Sweet dreams
「ユネスコの星空保護区に指定されてるんでしょ?楽しみ!」

光はにこりと笑う。その時、ティムが首を傾げた。

「光、なんかいつもより元気ない?体調悪い?」

光は「大丈夫だよ!長旅できっと疲れちゃったんだよ」と笑う。話を終わらせようと湖畔の教会を写真に収めた。

次に二人が訪れたのは、アロータウン。十九世紀後半のゴールドラッシュに栄えた町で、今でもその面影を残したカフェやショップが立ち並んでいる。

「木が黄色に彩られていてきれい〜!」

町のの木々を見つめ、光がはしゃぐ。ティムはその横顔を穏やかな目で見つめていた。

「ニュージーランドの固有の植物は常緑種が多いから、秋になっても紅葉・落葉しないんだ。だから落葉樹の多い町の方がきれいなんだよ。今の時期は特にきれいだね」

ティムがそう言い、光の頭に触れる。

「ん?何?」

不思議そうに首を傾げる光に、ティムは落ち葉を光の髪から取る。

「ついてた」
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