Sweet dreams
「できたよ〜」

ティムの言葉に、光は閉じていた重いまぶたをゆっくりと開ける。だるい体を無理やり起こし、椅子に座った。

「おいしそう！ありがと〜」

光は微笑み、オムレツを口に入れる。しらすのオムレツなど食べたことがない。しかし、意外においしかった。

「せっかく作ってもらったけど、ごめんなさい。もうお腹いっぱいで……」

半分ほどオムレツを光は残してしまった。申し訳ないと思いながら光は謝る。

「光、ちょっといい？」

ティムが光の隣に移動し、コツンと自分と相手のおでこをくっ付ける。キスをしてしまいそうなほどの距離に、光はびくりと体を震わせた。一気に体温が上がる。

「……やっぱり思った通り。熱があるね」

ティムが目を開き、体温計を取り出す。光が熱を測ると、三十七度五分あった。

「初めての長旅で疲れちゃったんだね。今日はもう休んだ方がいいよ」

ティムは優しくそう言い、光をお風呂場へと案内する。いつの間に沸かしたのか、温かいお湯が浴槽に張られていた。
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