特殊探偵世界係!!
「真子ちゃん、逃げよう!!」

泉は急いで走り出す。霊は、自分の姿が見える人間に自分の存在を教えようとする。四六時中付きまとわられるので、面倒なのだ。

泉は真子と走りながら後ろを振り向く。後ろから女性は追いかけてきた。

「嘘!追いかけてくる!」

真子の声に恐怖が混じる。しかし、それに泉は反応することなどできない。泉たちは霊は見えるが、除霊することはできないのだ。

「…………見……て…………。私…………見て…………」

どれだけ走っても、泉の耳元で女性の声がする。そしてついに、泉の体に氷のように冷たい何かがのしかかった。泉の足がピタリと止まる。

震える泉の体を冷たい腕が締め付ける。その様子を見ている真子は、体を震わせながらその場に座り込む。

もうダメだ、と泉は思った。体は指一本動かせず、霊を祓ってくれる人などいない。このまま霊に取り憑かれる、泉はそう覚悟した。

「今こそ、我らの同士を助けようぞ!!」
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