特殊探偵世界係！！

レアがそう言いお茶を飲み干す。クリスタが部屋を見渡し、言った。

「泉は？まだ戻ってきていないのか？」

小百合と真子が同時に頷く。レアとクリスタは顔を見合わせた。いつも、泉は二人よりも先に帰ってきているのだ。

その時、部屋に置かれた電話が鳴り響く。部屋の電話が鳴ることは滅多にない。小百合は術をかけ、受話器を手に取る。相手の声が部屋にいる全員に聞こえるようになった。

「特殊探偵世界係か？」

男性の声が響く。小百合は「そうだが？」と答えた。

「お前のところのネズミを捕まえた。返してほしかったら取りに来い。早くしないと、お前の大事なネズミが化け物に変わってしまうぞ？」

男性はそう言い、電話が切れる。もう何が起こったのか、全員わかった。泉が調査の最中に捕まってしまったのだ。

「……助けに行かないと！」

レアが拳銃を取り出す。クリスタも立ち上がった。

「私も行くぞ。……ったく何をやっているんだ！！」

心配と怒りを混ぜた声で小百合が言う。真子は、三人の様子をオドオドしながら見ていた。クリスタが真子を睨みつける。

「何ぼさっとしてんだ！テメェも私たちと一緒に来い！！私はあんたのことが大嫌いだ！でも、泉が怪我をしていたら手当が必要だろ！！」