特殊探偵世界係!!
隣を歩く女子の名前は、橋下真子(はしもとまこ)。泉とは中学生の頃から友達だ。

しかし、泉は真子のことが正直どう扱っていいのかわからず悩んでいる。理由は誰でもすぐにわかる。

数歩二人は歩く。二人の間に会話はない。こういった時、人は二つに分かれる。沈黙に耐えられる者と、そうでない者。泉は後者の人間だ。慌てて話題を探す。

「この前の日曜日にね、お母さんと買い物に行ったの。ファミレスのバイトで出たお給料で服を買ったんだ!夏休みに遊びに行く用にワンピースを買ったんだけど、五千円しちゃったんだ。予想以上に高くてびっくり〜」

泉は笑いながらそう言うが、隣にいる真子は何も反応しない。泉が話し終わってから口を開く。

「そうなんだ〜」

その言葉には、何の感情も乗せられていない。泉は真子と話していていつも空しくなる。それは会話が全く成立しないからだ。

真子は、常に泉にくっ付いている。他の人と関わろうとしない。四月に高校に入学し、もうすぐで夏休みに入るというのに、真子は未だに高校での友達を作っていない。
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