特殊探偵世界係!!
そして、高校も真子は付いてきた。真子には厳しいと先生に何度も言われても、「泉ちゃんと同じ高校に行く!」と言い張り、本当に合格したのだ。

そして、今に至る。



「泉ちゃん、帰ろう」

放課後、真子が泉に話しかける。泉は「うん……」と無理やり笑顔を作った。友達が哀れんだ目を泉に向け、泉はそれに気付かないふりをする。

「今日の化学の授業楽しかったね」

「うん」

「先生の話、おもしろかったな〜」

「うん」

「真子ちゃんは化学の調べ学習、何について調べる?」

「何でもいいかな」

泉が一生懸命話題を振るが、真子の返事は相変わらず感情のこもっていないものだ。泉はため息をつきたいのを堪える。

卒業するまでずっと引っ付かれるのかな、泉は未来を想像し笑顔が消える。高校だけではない。就職先も同じになったら、と思うと泉はさらに憂鬱になる。一生真子に縛られなければならないのだろうか。

また、二人の間に沈黙が訪れる。
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