漫才コンビは不成立?~高1コンビ編~
ご期待通り、その人は体育館の床に向かって倒れていった。
…ぷ。
あ、笑っちゃ駄目か。
慌てて笑った口を手で隠す。
「笑ってんじゃねーよ」
倒れたその人は、振り返ってあたしを睨みながら言った。
「ごめんね、つい悪戯心がさ…」
「は?悪戯心?!普通この状況で人を押すか?!」
…悪かったわね。
普通じゃなくて。(←普通じゃない)
「どーせ遅刻したんでしょ?だったら堂々と入ればいいんだよ」
「こんなシーンとしてる中、入ってけるか!アホか!」
あ、アホっ!?
「誰がアホよ!?」
「お前だよ!」
なーにコイツ!?
「…遅刻野郎のくせに、えらそーにさ」
「お前も遅刻野郎だろーが!」
……あ、そっか。
「えぇ~~。アンタと同類て、なんか嫌だよ」
「その言葉、そっくりそのままお前に返すわ!」