漫才コンビは不成立?~高1コンビ編~
「実はさ、1週間前に芽玖が初めて部活に来たときにも、波奈ちゃんとおんなじ事言ったんだよ」
大杉先輩の分身が、笑いを堪えながら言う。
芽玖だとぉ?
「え、ちょっと…また真似したの?!」
あたしは、部室の隅っこの方にいた黒河を見る。
「は?!お前話聞いてなかったのかよ!先に言ってんのは、俺だろ!」
「あたし真似してないよ?!」
「実はお前が、俺の事観察してんじゃねーの?」
なっ?!
黒河は、ニヤッと笑って言った。
「そんなわけないじゃん!自意識過剰にもほどがあるっての!」
「なんだとー?!」
「ちょちょちょ!」
睨み合うあたし達の間に、ここはやっぱり山ちゃん部長が入る。
「ストップストップストップ!」
「なんだ、そういう関係だったの?」
大杉先輩は、あたしと黒河を交互に指差して言う。