漫才コンビは不成立?~高1コンビ編~



「アンタ返してないから、あたしの勝ちや!」

「くそ…!」



…………。



「って、やべ…!おい白河、もうえーわ!」

「どうも」

「「スミマセンでしたぁ~~!!」」



一度頭をペコリと下げると、一目散にステージからおりた。



俺は…なにやってたんだ?



記憶がない。



…事もないが。



無いことにしたい。



「ぐろぎゃわ~~っ」

「うぉっ?!」



白河がいきなり飛び付いてきた。



「あだじぃ…記憶っ…ないんらけろ~(泣)」



俺にしがみついたまま、泣きじゃくる白河。



何を言ってんだか、聞き取りづらすぎる。



「いや、俺も……」



観客さえも見てなかったし。



「せっがぎゅの…っ、初ライブ、がっ…!」

「分かった分かった」



俺は白河の頭を撫でながら、人気のない中庭のベンチに腰をおろした。



< 94 / 100 >

この作品をシェア

pagetop