漫才コンビは不成立?~高1コンビ編~
「アンタ返してないから、あたしの勝ちや!」
「くそ…!」
…………。
「って、やべ…!おい白河、もうえーわ!」
「どうも」
「「スミマセンでしたぁ~~!!」」
一度頭をペコリと下げると、一目散にステージからおりた。
俺は…なにやってたんだ?
記憶がない。
…事もないが。
無いことにしたい。
「ぐろぎゃわ~~っ」
「うぉっ?!」
白河がいきなり飛び付いてきた。
「あだじぃ…記憶っ…ないんらけろ~(泣)」
俺にしがみついたまま、泣きじゃくる白河。
何を言ってんだか、聞き取りづらすぎる。
「いや、俺も……」
観客さえも見てなかったし。
「せっがぎゅの…っ、初ライブ、がっ…!」
「分かった分かった」
俺は白河の頭を撫でながら、人気のない中庭のベンチに腰をおろした。