TanKa
街角で、お花屋さんに立ち寄った。
「どのようなお花にいたしましょうか?」

優しげなおばさんが、僕に尋ねてくる。
ここはわざと、鉢植えの花! とでも言いたいところだが、タケチが退院したあかつきには、僕の命が危うい。
根つく=寝付くだなんて、全く誰が考えたのだろうか。

「お見舞いの、控えめなヤツにしてください。あんまり派手なのは、ちょっと……」
「はいはい、わかりました。少々、お待ちくださいね」

数分して、僕の手元には黄色い花が基調の、見ただけで元気になれそうな花束。
「ありがとうございます」
心から、お礼を言った。

「いえいえ、黄色やらオレンジには、元気を出させるパワーがあるとか。入院されている方が、元気になられれば、と思いまして」

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