明日は明日の恋をする
「手伝うよ。」

「ありがとうございます。」

明日香ちゃんが盛り付けた皿をテーブルへ運ぶ。見た感じ明日香ちゃんは普通な感じだが…あんまり気にしてないのか?

「明日香ちゃん、毎日楽しいかい?」

「はい、あっでも…。」

「でも?」

「い、いえ…何でもないです。」

そう言ってまた皿に盛り付けを始める。でもよく見るとほっぺが少し赤くなってる。やっぱりデリケートな問題だから俺には話難いか。

「何?気になるじゃん。俺は気にしないから話してみてよ。」

「…あの、私ってやっぱり…女としての魅力がないんですかね?」

手を止めて、恥ずかしそうに小声で話す。ほら見ろケイスケ。やっぱり明日香ちゃん、気にしてるじゃん。

「明日香ちゃんは魅力的な女性だよ。何なら俺は今すぐにでも抱けるけど?」

「…誰が誰を抱くって?」

後ろから怒りに満ち溢れた声がする。恐る恐る振り向くとケイスケが鋭い目つきで俺を見ていた。

「ケイスケいたのか。ほら明日香ちゃん気にしてるじゃん。ちゃんと責任とらないと。」

明日香ちゃんに聞こえないようにケイスケの耳元で小声で話した。そして何も言い返せないケイスケをよそに、俺は鼻歌交じりで食事の準備を再開する。

その後はたわいもない話をしながら食事を終え、俺はさっさと帰る事にした。

「じゃあ明日香ちゃん、ご馳走さまでした。」

「いえ。またいつでも来て下さい。」

「そんな事言ったら明日も来るぞ、コイツは。」

「そんなこと言って、明日も俺に来て欲しいのか。じゃあまたね明日香ちゃん、おやすみ。」

そしてケイスケのマンションを出た。どうやら2人は大丈夫そうだ。それよりも、俺の失恋の傷はまだ癒えてない…か。2人を見るのは少し辛い。

「よし、帰ってビールでも飲むか。」

帰り道、コンビニでビールとつまみを買って帰った。
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