明日は明日の恋をする
眠れない夜…

気がついたらもう朝になっていた。カーテンを開け日差しを浴びる。今日もいい天気だ。

「あぁ、もうどんな顔して進藤さんに会えばいいの?」

…考えてもしょうがないか。私は部屋を出てコソコソ気味にリビングへ向かう。

リビングには…誰もいない。少し緊張が解け朝のコーヒーを入れる。

「……明日香。」

「きゃあ。」

突然呼ばれてビックリした私は思わず悲鳴をあげてしまった。ゆっくり振り向くと、私の悲鳴の大きさに耳を塞いだ進藤さんが立っていた。

「ご、ごめんなさい。」

「…俺にもコーヒーを入れてくれ。」

進藤さんはそのままソファーに座り、テレビをつけてニュースを見始めた。私はそっとコーヒーをテーブルに置く。

「緊張してるのか?」

「それは…しますよ。」

「今日は早く帰るから、外食しようか。」

「外食ですか?」

「あぁ。たっぷり昼寝しとけよ。」

進藤さんは笑みを浮かべて立ち上がり、仕事の支度を始めた。余裕たっぷりだな進藤さん。私だけ緊張しちゃって恥ずかしい。

「じゃあ仕事行ってくる。」

支度を終えた進藤さんが私の元へ来た。そして耳元で囁く…。

「…夜が楽しみだ。」

ふわっと香る進藤さんの香水…

その香りと囁きだけで、私はゾクッと感じた。
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