明日は明日の恋をする
「俺なんて全然寝れなくて寝不足だよ。」

「なんか…すみません。」

高瀬さんは笑いながらコーヒーを入れてくれた。

「俺が仕事に行ってる間は、自主勉強しててね。勝手に部屋の本やノート見ていいから。」

「分かりました。」

「あっでも、あんまり部屋を物色するとエロいものがいっぱい出てくるから気をつけてね。」

「…はい。」

もう、高瀬さんは何でこんな事をサラッと言えちゃうんだろう。取り敢えず、本棚以外は触らないようにしなきゃ。

そして高瀬さんは仕事へ行き、私は自主勉強を始めた。高瀬さんのノートを見ると、綺麗に仕事に関する事がまとめられている。努力したんだなっと仕事面では高瀬さんを尊敬した。

2日間の勉強を終え、明日からはいよいよ会社での実践が始まる。もちろん考えるだけで緊張するが、進藤さんに会えると思うと胸が高鳴った。

ドキドキして寝れない…と思っていたが、私は今日もぐっすり寝ていた。

朝になり私はスーツに着替え、いつもより念入りに化粧をする。そして髪を一つにまとめ鏡でチェックした。

「よし、完璧。」

「明日香ちゃん、準備出来た?」

「はい。」

「じゃあ行こうか。」

高瀬さんと一緒に最寄りの駅から電車に乗り会社へ向かう。

「あの、一緒に通勤して大丈夫ですか?」

私は満員に近い電車の中でコソッと高瀬さんに声をかける。

「大丈夫っしょ。気になるなら明日から時間ずらす?」

同じ会社の人に見られても大丈夫なのかなという心配をしたが、私が気にし過ぎてるのだろうか。

そして、ついに会社へ到着した。
< 112 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop