明日は明日の恋をする
秘書課に着くと机に座って、仕事の確認を始める。今日は私がメインで高瀬さんはサポートに回る予定だ。大丈夫かなと不安と緊張が走るが、昨日も帰ってからしっかり仕事の復習もしたしイメージトレーニングもバッチリのはず…。

出来る。

私は自信を持って社長室に向かった。そして社長室の前で一回立ち止まって大きく深呼吸をする。

ーー コンコン

「失礼します。」

社長室に入り一礼をして顔を上げる。仕事をしていた進藤さんの手が止まり、私の方を向いた。

「社長、おはようございます。本日のスケジュールですが…。」

私は緊張しながらもルーティンワークを行う。その後も高瀬さんに助けられながら無事に秘書課実践2日目を終える事が出来た。

秘書課実践3日目…

高瀬さんのサポートがあるのは今日までだ。頑張らなきゃ。

進藤さんとのスケジュール確認を終えて、私は秘書課で仕事をしていた。高瀬さんは課長席に座って自分の仕事を黙々とこなしている。

しばらくすると鈴里さんが秘書課に戻ってきた。

「鈴里さん、ちょっといいですか?」

「はい。」

高瀬さんに呼ばれ何か話をしている。そして私の隣に座り、PCに向かって仕事を始めた。

「今日、本当に飲みに行くのね。」

鈴里さんは仕事をしながら小声で私に話しかける。

今日は金曜日、3人で飲みに行く日だ。高瀬さんに呼ばれて時間と場所を伝えられたらしい。

「あまり乗り気じゃないですか?」

「乗り気じゃないっていうか、得意じゃないのよ…飲み会とかプライベートで人と会うのって。」

人付き合いが苦手って事なのかな。でも私は知り合って間もないが、鈴里さんとゆっくり話がしてみたいと思っていた。
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