明日は明日の恋をする
「お、お待たせ。」

私は緊張気味に進藤さんの元へ行く。

大丈夫かな?

変じゃないかな?

チラッと進藤さんの方を見る。相変わらずモデルが着るような服を着こなしている進藤さんは格好良い。私、隣を歩いて大丈夫かな?なんか不釣り合いのような気がする。

「…ちゃんとデートするのは初めてだな。行くか。」

外は今日も青空が広がり日差しが眩しい。私達は車に乗り込み、最初で…恐らく最後のデートが始まった。

「ねぇ、何処に行くの?」

「何処でもいいか?」

「うん。」

進藤さんは笑みを浮かべて運転する。行き先は教えてくれなかった。着いてからのお楽しみって事かな。

近場だと誰かに見られたらいけないし、結構遠出をするみたいでしばらく車を走らせた。

そして目的地に着いたのか、車を駐車場へ停めて車を降りた。

「ここ?」

正直落ち着いた雰囲気の場所でのデートを想像していたが、予想を反した場所だった。私は驚いて思わず進藤さんの方を勢いよくみる。

「お気に召さなかったか?」

「ううん…めっちゃ嬉しい。」

進藤さんが連れてきてくれたのはアトラクション満載の遊園地だった。

「この歳になって遊園地に来るとは思わなかったな。」

「ねぇ今更なんだけど…進藤さんって何歳なの?」

「知らなかったのか?本当に今更だな…30歳だよ。」

ようやく進藤さんの年齢を聞く事が出来た。30歳…私が24歳だから、私達意外と年の差カップルなんだ。

「ほら、行くぞ。」

進藤さんは少し照れた様子で私に手を出してきた。私も照れながら出された手を握り、手を繋いで遊園地の中に入場した。
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