明日は明日の恋をする
高瀬さんの葛藤
その頃…(高瀬目線)ーー
「さて明日香ちゃんに泣き場所も提供できたし、次はっと…。」
マンションを出た俺は、車に乗ってその後のプランを考えていた。
「…よし。」
車のエンジンをかけて運転を始めた。朝は車も多く、渋滞に巻き込まれながらゆっくりとオフィス街を走らせる。早足で歩くスーツ姿のサラリーマンやOL達を眺めていると、俺も毎朝こんな感じで出社してるんだなと自分に重ねて見てしまう。そして目的地のケイスケのいる会社へ到着した。
「あっスーツ着るの忘れてた。まっいいか。」
元々会社に行く予定ではなかったから普通の私服で来てしまった。何か恥ずかしいので、なるべく人に会わないようにそそくさと会社ビルへ入り、エレベーターに乗って最上階にある社長室へと向かう。
「失礼します。」
ノックをして社長室へ入る。中に入ると、ケイスケは黙々と仕事をしていた。
「ナオト、今日は代休とったんじゃないのか?しかも私服で…どこの学生が迷い込んできたのかと思った。」
俺に気づいたケイスケはいつも通りニヤっとしながら俺に話しかけてきた。
「学生って…せっかく落ち込んでる親友を慰めにわざわざ来たのになぁ。」
思ったより元気そうなケイスケを見て安心した俺は、来客用のソファーへどかっと座った。
「それはどうも。」
そう言ってケイスケも俺の前に座った。
「普通だな。仕事にも影響がなさそうで何よりだ。」
「俺の事よりも…明日香の方が心配だ。」
ケイスケは明日香ちゃんの事を思い出したのか、俯き加減で切ない表情をしている。表面上は普通にしてても、やはり明日香ちゃんを失った精神的ダメージはかなり大きそうだ。
「まぁ、明日香ちゃんの事は俺がちゃんとフォローするから安心しろよ。」
「…ナオト、お前…いや、何でもない。明日香の事頼む。」
「何だよ。中途半端な言いかけは気になるじゃん。はっきり言えよ。」
「…お前、明日香の事…まだ好きなのか?」
恐らくケイスケは以前俺が言った事を覚えていたのだろう。2人が別れた際にはまた俺が明日香ちゃんを口説くって言った事を…。少し睨みつけるかのような真っ直ぐな目で俺を見る。
「あぁ、好きだよ。」
俺はその場に立ち上がり、ケイスケの頭の上にポンっと手を乗せてニヤッと笑みを浮かべた。
「ケイスケの事も好きだよ。あっもちろん友情的な意味な。お前も明日香ちゃんも幸せになれますように。」
それだけ言って俺は社長室を出た。ケイスケは何言ってるんだと言わんばかりの表情をしていた。
「さて明日香ちゃんに泣き場所も提供できたし、次はっと…。」
マンションを出た俺は、車に乗ってその後のプランを考えていた。
「…よし。」
車のエンジンをかけて運転を始めた。朝は車も多く、渋滞に巻き込まれながらゆっくりとオフィス街を走らせる。早足で歩くスーツ姿のサラリーマンやOL達を眺めていると、俺も毎朝こんな感じで出社してるんだなと自分に重ねて見てしまう。そして目的地のケイスケのいる会社へ到着した。
「あっスーツ着るの忘れてた。まっいいか。」
元々会社に行く予定ではなかったから普通の私服で来てしまった。何か恥ずかしいので、なるべく人に会わないようにそそくさと会社ビルへ入り、エレベーターに乗って最上階にある社長室へと向かう。
「失礼します。」
ノックをして社長室へ入る。中に入ると、ケイスケは黙々と仕事をしていた。
「ナオト、今日は代休とったんじゃないのか?しかも私服で…どこの学生が迷い込んできたのかと思った。」
俺に気づいたケイスケはいつも通りニヤっとしながら俺に話しかけてきた。
「学生って…せっかく落ち込んでる親友を慰めにわざわざ来たのになぁ。」
思ったより元気そうなケイスケを見て安心した俺は、来客用のソファーへどかっと座った。
「それはどうも。」
そう言ってケイスケも俺の前に座った。
「普通だな。仕事にも影響がなさそうで何よりだ。」
「俺の事よりも…明日香の方が心配だ。」
ケイスケは明日香ちゃんの事を思い出したのか、俯き加減で切ない表情をしている。表面上は普通にしてても、やはり明日香ちゃんを失った精神的ダメージはかなり大きそうだ。
「まぁ、明日香ちゃんの事は俺がちゃんとフォローするから安心しろよ。」
「…ナオト、お前…いや、何でもない。明日香の事頼む。」
「何だよ。中途半端な言いかけは気になるじゃん。はっきり言えよ。」
「…お前、明日香の事…まだ好きなのか?」
恐らくケイスケは以前俺が言った事を覚えていたのだろう。2人が別れた際にはまた俺が明日香ちゃんを口説くって言った事を…。少し睨みつけるかのような真っ直ぐな目で俺を見る。
「あぁ、好きだよ。」
俺はその場に立ち上がり、ケイスケの頭の上にポンっと手を乗せてニヤッと笑みを浮かべた。
「ケイスケの事も好きだよ。あっもちろん友情的な意味な。お前も明日香ちゃんも幸せになれますように。」
それだけ言って俺は社長室を出た。ケイスケは何言ってるんだと言わんばかりの表情をしていた。