明日は明日の恋をする
人のいない場所を探して辿り着いたのは屋上だった。

頭を冷やしにきたのに、天気が良すぎてまるで日光浴みたいになっていた。

日差しが痛いくらいに胸に刺さる。

「やっぱりクビかな〜。」

空を見上げてボソッと呟いた。

ちょうどその時、屋上のドアが開く音がする。

「課長、社長がお呼びです。」

俺を呼びに来たのは鈴里さんだった。ドアを閉めて俺の近くに来る。

「いい天気だよね。」

「そうですね。」

2人で屋上から外を眺めた。

「社長には何て言ったの？話合わせるよ。」

「社長には全てお話しました。不倫の事も…。」

「そう…。じゃあ俺も怒られに行ってこようかな。」

「私のせいで…課長に迷惑をかけてしまって…すみません。」

鈴里さんは今にも泣きそうな表情をしている。そんな鈴里さんを見て俺は優しく抱きしめた。

「そんな顔するなって。マイの事好きだから笑ってて欲しいんだ。」

ずっと鈴里さんに対してあった感情の正体は恋愛感情だった。それにようやく気づく事が出来て、俺の心の中はスッキリしていた。

「さて、俺は自分の気持ちに気づけたし、これからは本気で口説きにかかるから覚悟してね、マイ。」

抱きしめていた手を離し、鈴里さんに顔を近づけ笑顔を見せる。

「それと、後から社長室にコーヒー持ってきてくれる？」

俺は突然の告白に呆然としている鈴里さんに手を振って社長室に向かった。

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